特許番号(4076953) 水素、酸素ガス発生装置



【特許4076953】
【発明の詳細な説明】
技術分野
本発明は、電気分解により水素?酸素ガスを発生させるための装置及び方法に関し、特に、高い効率で水素ガス及び酸素ガスを発生させそれぞれ別個に又は混合ガスの形態で捕集し、安全で燃焼時の火炎温度が高いガスを発生させることを企図した水素?酸素ガス発生装置及び水素?酸素ガス発生方法に関するものである。
背景技術
ファラデーによって電気分解技術が開発され、これにより水の電気分解生成物として、2:1の比率の水素及び酸素からなる水素?酸素ガスが得られることが知られている。これまでに、水素?酸素ガスの研究はそれなりに続けられてきたが、実 用性のある技術は、オーストラリアのブラウン エネルギー システム テクノロジー ピー ティー ワイ社(Brown Energy System Technology PTY.LTD.)のユル・ブラウン博士(Dr.Yull Brown)の開発に係るガス発生機であり、これに関連する特許文献としては、日本国登録実用新案第3037633号公報がある。
この技術は、水素?酸素ガスを発生させる電解槽の構造において、四方にボルト孔が形成され、中心の上側及び下側にガス流通長孔と電解液流通長孔とが互いに垂直になるように形成された多数個の電極板と、前記電極板の間に設置され外側に突出されたボルトハウジング孔が形成された多数個のスペーサを相互交番的に結合させ、スペーサの内周縁面にはオーリングでシーリングして電解液充填質を形成するとともに、前記の電極板の両側には電流連結ボルトとガス連結ニップル及び電解液連結ニップルとを持つ電解槽仕上板を装着して、前記電極板のボルト孔、スペーサのボルトハウジング孔及び電解槽仕上板のボルト孔に挟まれたステイボルトにナットを締結して電極板、スペーサ及び電解槽仕上板を相互結合させて構成したものである。しかしながら、未だ工業用の水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを発生させることに成功していない。
同様な前記ガス発生機に関連する特許文献としては、日本国特許第3130014号公報がある。
しかしながら、従来方法では、電解槽内に設けられた電極板の隣接するものどうしの間には、ショートしないだけの距離として最も短くとも50mmの間隔をとらねばならない。それより短い距離に接近させると、過電流となり、事故が発生しやすくなる傾向にある。このため、従来の装置及び方法では、電流密度を高めて水素?酸素ガスを高い効率で発生させることには限界があり、十分な効率が得られていなかった。また、水素と酸素との十分な混合が行われずに引火の危険性を生じ、大量発生には不向きであった。
一方、電解槽の大きさには自ずと上限があるため、一台の水素?酸素ガス発生装置によって生産される水素?酸素ガスの量にも上限がある。しかるに、実用的見地からは、出来るだけ小さな装置によって単位時間当たり出来るだけ多くの量の水素?酸素ガスを生産することが望ましい。この点においても、従来の装置では、装置の小型化と水素?酸素ガスの発生量の向上との双方を満足させることは困難であった
一方、国際特許公開WO95/06144号公報には、水の電気分解方法において、水中に入れた電極を、酸素分子、水素分子又は水分子のいずれか一つが共振する固有振動の振動数、具体的には6000?120000回/分(100?2000回/秒)の振動数で振動させ、あるいは固有振動の波長の倍数波長で振動させて、酸素分子、水素分子又は水分子のいずれか一つを共振させるとともに、電極を磁界内において帯磁させ、水中に通電して水を電気分解する方法が開示されている。この技術は、結局のところ電極に付着する水素泡の分離を促進しようとするだけのものであって、振動により水を流動撹拌させようとする技術思想はなく、水素ガスの発生量もそれほど向上はしない。


そこで、本発明は、電解条件を改善して単位時間当たり電極単位面積当たりに発生する水素ガス及び酸素ガスの量を十分に増大させ、もって装置の小型化及び装置当たり(即ち電解槽の単位容積当たり)の水素?酸素ガス発生量の向上を可能となし、これらのガスをそれぞれ別個に又は混合ガスの形態で捕集するようにし、安全で燃焼時の火炎温度が高い水素ガスと酸素ガスとの混合ガス発生させることを可能にし、また隔膜を使用することで水素ガスと酸素ガスとを高い効率で別個に発生させることが可能な、水素?酸素ガス発生のための装置及び方法を提供することにある。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解液として5重量%?30重量%の電解質を含み液温20℃?100℃でpH7?10のものを用いて電流密度7A/dm2?40A/dm2で前記電解液の電気分解を行って水素?酸素ガスを発生させる方法の実施に使用される水素?酸素ガス発生装置であって、該水素?酸素ガス発生装置は、
電解槽(A);
該電解槽内に収容される電解液と接するように配置される陽極部材及び陰極部材よりなる電極対と、前記陽極部材及び陰極部材の間に電圧を印加する電源とを含んでなる電気分解手段(B);
少なくとも1つの振動発生手段と、該振動発生手段に連係して前記電解槽内で振動する少なくとも1つの振動棒、該振動棒に取り付けられた少なくとも1つの振動羽根及び前記振動棒と前記振動発生手段との連結部に又は前記振動棒の振動羽根を取り付けた部分より前記連結部に近い部分に設けられた電気的絶縁領域からなる絶縁式振動撹拌部材とを含んでなり、前記電解槽に収容される電解液を振動撹拌するための絶縁式振動撹拌手段(C’);及び
前記電解槽内に収容される電解液の前記電気分解手段による電気分解で発生する水素ガス及び酸素ガスをそれぞれ単独に又はそれらの混合ガスとして捕集するためのガス捕集手段(D)を備えており、
前記絶縁式振動撹拌手段(C’)の振動発生手段は10Hz?500Hzの振動数で振動する振動モータを含んでおり、
前記絶縁式振動撹拌手段(C’)の絶縁式振動撹拌部材は少なくとも1つの第1の前記絶縁式振動撹拌部材と少なくとも1つの第2の前記絶縁式振動撹拌部材とを有しており、前記第1の絶縁式振動撹拌部材の前記電気的絶縁領域に対する前記振動羽根を取り付けた部分の側の少なくとも一部を前記電気分解手段(B)の陽極部材として機能させ、前記第2の絶縁式振動撹拌部材の前記電気的絶縁領域に対する前記振動羽根を取り付けた部分の側の少なくとも一部を前記電気分解手段(B)の陰極部材として機能させてなり、
前記絶縁式振動撹拌手段(C’)の絶縁式振動撹拌部材の前記振動棒の前記電気的絶縁領域に対する前記振動羽根を取り付けた部分の側に通電線が接続されており、該通電線は前記電気分解手段(B)の電源に接続されており、
前記絶縁式振動撹拌手段(C’)の絶縁式振動撹拌部材の前記振動棒には、前記電気的絶縁領域に対する前記振動羽根を取り付けた部分の側に前記振動棒を介して前記通電線と電気的に接続された電極用補助羽根が取り付けられており、
該電極用補助羽根は前記振動羽根より大きな面積を持ち且つ前記振動羽根の先端縁よりも更に突出せしめられており、
前記電極用補助羽根は前記振動羽根と交互に位置するように前記振動棒に取り付けられており、
前記第1の絶縁式振動撹拌部材の前記振動棒に取り付けられた前記電極用補助羽根と前記第2の絶縁式振動撹拌部材の前記振動棒に取り付けられた前記電極用補助羽根とは、互いに入り組んだ形態で位置しており、
前記陽極部材と陰極部材との距離は5?50mmであることを特徴とする水素?酸素ガス発生装置。
【請求項2】
前記絶縁式振動撹拌手段(C’)の絶縁式振動撹拌部材の前記振動棒には、前記電気的絶縁領域に対する前記振動羽根を取り付けた部分の側に前記振動棒を介して前記通電線と電気的に接続された前記陽極部材又は陰極部材が取り付けられており、前記振動羽根のうちの少なくとも1つが前記陽極部材又は陰極部材として機能することを特徴とする、請求項1に記載の水素?酸素ガス発生装置。
【請求項3】
前記ガス捕集手段(D)は、前記電解槽に付設された蓋部材と、該蓋部材に設けられた水素?酸素ガス取出口に接続された水素?酸素ガス採取管とを含んでなり、前記振動棒は前記蓋部材を貫通して延びており、該蓋部材と前記振動棒との間には前記振動棒の振動を許容し且つ前記水素?酸素ガスの通過を阻止するためのシール手段が介在していることを特徴とする、請求項1?2のいずれか一項に記載の水素?酸素ガス発生装置。






【特許4076953】
[実施例1]
図40?41に関し説明した装置を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール(SUS304)製(内面に厚さ2mmの耐熱性塩化ビニル樹脂貼付)
740mm×2100mm×700mm(H)
蓋部材:
ステンレススチール(SUS304)製、図4及び図5のシール構造を採用
絶縁式振動撹拌手段:
振動モータ:(株)村上精機製作所製、400W×3相×200V、6台インバーターにより40Hzで駆動
振動羽根:チタン製、6枚
図34のようにポリテトラフルオロエチレン製絶縁テープを貼付
極間距離:双方の絶縁式振動撹拌手段の隣接電極用補助羽根同士の間隔を20mmに設定
電解液:蒸留水中に電解質KOHを8重量%添加したもの、温度55℃
陽極?陰極間の印加電圧:1.5V(直流)
電流密度:30A/dm2
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た。得られた混合ガスを燃焼させたところ、150mm程度の長さの細い火炎が形成された(炎止めタンク内の溶剤としてメチルアルコールを用いた)。タングステン棒が約2秒で白煙を上げて気化し、棒に穴があいた。3000?4000℃の火炎が得られているものと推定される。
本実施例で得られた混合ガスは爆発(爆鳴)を伴わずに、安全に使用出来るところに特長がある。また、長時間の火炎の発生の継続が可能である。なお、火炎を停止すると、爆縮し、燃焼装置のノズル内部が真空になるため、音が発生する
本実施例で得られる混合ガスは、従来のブラウンガスまたは前記日本国登録実用新案2記載のガスとは異なり、燃焼により形成される火炎を溶接に無公害にて使用することが出来、工業的に十分に利用可能であることがわかった。従来の水素ボンベ及び酸素ボンベからの混合ガスと比較すると、燃焼温度(火炎温度)が向上し、エネルギー発生量が優れていた。従って、実用装置として好適に使用可能であることがわかった。
[実施例2]
図37?39に関し説明した装置を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール(SUS304)製(内面に耐熱性塩化ビニル樹脂被覆プラスチゾル仕上げ)
400mm×700mm×550mm(H)
蓋部材:
ステンレススチール(SUS304)製、図4及び図5のシール構造を採用
絶縁式振動撹拌手段:
振動モータ:150W×3相×200V、2軸タイプ、2台
インバーターにより40Hzで駆動
振動羽根:チタン製、6枚、図33の寸法D2=55mm
電極用補助羽根:チタン製、2枚(最上部及び最下部にのみ使用)
図33の寸法D2=150mm
陽極部材及び陰極部材:
図54のチタン製ラス網電極(厚さ3.0mm、ラス部厚さ1.5mm、
網目の対角線長さ:一方10mm、他方20mm)
極間距離:チタン製ラス網電極間を20mmに設定(互いに平行)
電極部材の面積が小さいのを電極用補助羽根の表面積で補っている
電解液:蒸留水中に電解質KOHを25重量%添加したもの、温度55℃
陽極?陰極間の印加電圧:1.4V(直流)
電流密度:20A/dm2
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た。
得られた混合ガスを燃焼させたところ、100mm程度の長さの細い火炎が形成された。タングステン棒が白煙を上げて気化し、棒に穴があいた。3000℃程度の火炎が得られているものと推定される。
本実施例で得られた混合ガスは爆発(爆鳴)を伴わずに、安全に使用出来るところに特長がある。また、長時間の火炎の発生の継続が可能である。なお、火炎を停止すると、爆縮し、燃焼装置のノズル内部が真空になるため、音が発生する。
本実施例において、装置の中央(陽極部材と陰極部材との中間)に隔膜を配置して、陽極部材側及び陰極部材側で別々にガスを捕集すると、水素ガスと酸素ガスとを別々に得ることが出来る。これを混合させることで、実施例1と同様な混合ガスとして使用することが出来る。但し、最初から分離せずに混合ガスとして捕集した方が燃焼時の火力が勝っていた。
[実施例3]
図24?26に関し説明した装置を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール製(内面に厚さ2mmの耐熱性塩化ビニル樹脂貼付)
740mm×2100mm×700mm(H)
蓋部材:
ステンレススチール(SUS304)製、図4及び図5のシール構造を採用
絶縁式振動撹拌手段:
振動モータ:(株)村上精機製作所製、400W×3相×200V、6台インバーターにより40Hzで駆動
振動羽根:チタン製(陽極部材または陰極部材を兼用)、6枚
陽極部材及び陰極部材:
図53の円柱状チタン網製ケース(籠体)電極を積み重ねたもの
電解液:蒸留水中に電解質KOHを25重量%添加したもの、温度55℃
陽極?陰極間の印加電圧:1.4V(直流)
電流密度:20A/dm2
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た
得られた混合ガスを燃焼させたところ、実施例2と同様に細い火炎が形成された。3000℃程度の火炎を定常的に得ることが出来た。
本実施例において、装置の中央(陽極部材と陰極部材との中間)に隔膜を配置して、陽極部材側及び陰極部材側で別々にガスを捕集すると、水素ガスと酸素ガスとを別々に得ることが出来、別々に燃焼に使用することが出来るが、これを混合させることで、実施例1と同様な混合ガスとして爆発の危険性なく安全に溶接に使用することが出来る。
[実施例4]
図30に関し説明したタイプの装置を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール製(内面にプラスチックコート)
700mm×300mm×350mm(H)
蓋部材:
図16,17,18,19B、20Aに関し説明したもの、図4及び図5のシール構造を採用
絶縁式振動撹拌手段:
振動モータ:(株)村上精機製作所製、750W×3相×200V
インバーターにより40Hzで駆動
振動羽根:チタン製(陽極部材または陰極部材を兼用)、5枚、
図8のα=15°
振動棒:チタン合金製、直径16mm
振動羽根用固定部材:チタン製
弾性部材シート(図8における16p):テフロン(登録商標)シート
電解液:蒸留水中に電解質KOHを30重量%添加したもの、温度55℃
陽極?陰極間の印加電圧:2.7V(直流)
電流密度:20A/dm2
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た。
得られた混合ガスを図22の燃焼装置(溶剤してメタノールを使用)を使用して、燃焼させたところ、着色した100mm程度の細長い火炎が形成された。チタン棒に穴をあけることができ、推定3000℃程度の火炎による溶接への利用が可能であった。
[実施例5]
図49?50に関し説明した装置(但し、振動撹拌手段は絶縁式のものとした)を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール製(内面塩化ビニール被覆)、厚さ6mm
320mm×220mm×440mm(H)
蓋部材:
ステンレススチール製製、図4及び図5のシール構造を採用
絶縁式振動撹拌手段:
振動モータ:安川電機(株)製、75W×3相×200V
インバーターにより45Hzで駆動
振動羽根:ステンレス製、下向き1枚、上向き3枚、図8のα=±15°
電極対:
陽極部材:白金板、8枚
陰極部材:ステンレススチール板、9枚
振動撹拌部材からの距離:25mm
電解液:蒸留水中に電解質KOHを20重量%添加したもの、常温
陽極?陰極間の印加電圧:4V(直流)
電流:100A
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た。
得られた混合ガスを、図22の燃焼装置(シールポットの溶剤としてメタノール使用)を用いて燃焼させたところ、チタン板(400x20x0.5mm)、タンタル部材(150x3mmφ)及びタングステン板(120x15x0.8mm)をいずれも数秒で溶解(チタン、タンタル)または昇華(タングステン)させることが出来た。これにより推定すると約7000?8000℃の高温の火炎が安定して長時間得られた。
[実施例6]
図47に関し説明した振動撹拌手段を用いて、以下の条件で水素?酸素ガスを発生させた。
電解槽:
ステンレススチール製(内面塩化ビニール被覆)
750mm×500mm×500mm(H)
蓋部材:
ステンレススチール製、図4及び図5のシール構造を採用
振動撹拌手段:
振動モータ:安川電機(株)製、250W×3相×200V
インバーターにより50Hzで駆動
振動羽根:ステンレス製
陽極部材:チタン板
陰極部材:白金めっきチタン板
電解液:蒸留水中に電解質KOHを15重量%添加したもの、60℃
陽極?陰極間の印加電圧:1.5V(直流)
電流密度:20A/dm2
水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを極めて効率よく発生させることが出来た。
得られた混合ガスを用いて、3000℃程度で容易に金属溶接を行うことが出来た。これにより推定すると約7000?8000℃の高温の火炎が得られた。






目的

そこで、本発明は、電解条件改善して単位時間当たり電極単位面積当たりに発生する水素ガス及び酸素ガスの量を十分に増大させ、もって装置小型化及び装置当たり(即ち電解槽単位容積当たり)の水素?酸素ガス発生量の向上を可能となし、これらのガスをそれぞれ別個に又は混合ガス形態捕集するようにし、安全で燃焼時火炎温度が高い水素ガスと酸素ガスとの混合ガスを発生させることを可能にし、また隔膜を使用することで水素ガスと酸素ガスとを高い効率で別個に発生させることが可能な、水素?酸素ガス発生のための装置及び方法を提供する










(11)【特許番号】特許第4076953号(P4076953) (24)【登録日】平成20年2月8日(2008.2.8) (45)【発行日】平成20年4月16日(2008.4.16) (54)【発明の名称】水素−酸素ガス発生装置 (51)【国際特許分類】 C25B 1/04 (2006.01)???

特許番号 特許第4076953号
出願日 2002年09月24日
公開日 (公表日)
登録日 2008年02月08日
出願人/特許権者
発明者
代理人 (1件) 山下 穣平 



オーマサ ガスとは  大政龍晋社長は、振動流動攪拌機で撹拌しながら水を電気分 解する、「水素・酸素混合ガス発生装置」で国際特許 Wo 03/048424A1を取得。泡には、表面を小さくしようと働く表面張力があります。振動流 動攪拌機が自己加圧効果を促進?自己加圧作用は気泡の大きさに反比例して強く成ることが知られています。この自己加圧作用により泡は、小さく成ると急速に 圧壊します。電解で発生した泡の一部が振動流動攪拌機によって圧壊振動流動攪拌機の振動で泡を急激に収縮させ圧壊をおこさせる。この圧壊により泡が消滅す る瞬間、泡が持つ電荷が放され電荷の濃縮現象が、瞬間的に数千度以上の高温状態のフリーラジカル領域を形成す るといわれます。このフリーラジカル状態を電 気分解して「オーマサ ガス」を発生?「OHMASA-GAS」は純度の比率でブラウンガス程、強力ではないようだが手軽な発生装置がすばらしい。さしあたっては、バーナーに利 用であるが、エンジンを回す燃料としても成功している。ただ、エンジンを回す燃料としては、先にも述べたように、非常に低い温度で燃焼する不思議な炎であ る、ということでエンジンを回すのにはプロパンガスなどと混合ガスとして燃焼すると、「OHMASA-GAS」とプロパンガスを足した熱エネルギーよりも 沢山の熱エネルギーを発生する。この、「OHMASA-GAS」は200気圧にしても、安全な状態で貯蔵でき、水素と酸素の混合ガスなので燃焼時に酸素を 必要としません。 ロケット燃料・・・水素は分子が小さいため、金属ボンベから漏れ出たり水素脆化によりボンベが壊れたりするが、この酸水素ガスは2年間 貯蔵したが、漏れなかったという。電気エネルギーは、大量の輸送が困難で有るので、電車などには良いが、自動車や航空機には、プロパンガスなどと混合ガス とした「OHMASA-GAS」などの化学エネルギーに勝るものはない。暇つぶしより



アルカリ-マンガン乾電池の負極活物質であるZnに添加するHgの役割を、Zn上におけるHgの濡れという立場から検討を行う基礎研究として、KOH水溶液の表面張力、Hg-KOH間の界面張力を測定した。

KOH水溶液の表面張力は、KOH濃度が高くなるにつれ大きくなり、 電池に使用されている 40mass%KOH水溶液になると約100mN/mの値を示した。また同一濃度で温度の影響をみるといずれの組成でも高温になる程表面張力が低下し、純 物質の表面張力と同じ傾向となった。ただしその温度勾配は大きくないことがわかった。表面張力は僅かな添加剤でも大きく変化することがあるのでKOH水溶 液とHgを平衡させ、数ppmのHgを溶解したKOH水溶液の表面張力も測定したが、純粋なKOH水溶液の結果とほとんど変わらなかった。

Hg-KOH水溶液間の界面張力は静滴法により測定された。KOH濃度を一定とし温度の影響を見 ると測定温度範囲では、誤差の範囲で温度依存性が認められなかった。一定温度ではKOH濃度が高くなると界面張力値も大きくなる傾向を示したが、その組成 依存性は大きくなかった。

KOH水溶液の表面張力、KOH水溶液-Hg間の界面張力を用い、Hg上のKOH水溶液の拡張係数を次の(1)式から求めた。

S_<Hg-KOH>=γ_<Hg>-γ_<KOH>-γ_<KOH/Hg> (1)γ_<Hg>:Hgの表面張力 γ_<KOH>:KOHの表面張力

γ_<HgーKOH>:HgーKOH水溶液間の界面張力

その結果、測定組成・温度範囲でいずれも正の値となりKOH水溶液はHg上でよく濡れ、拡がるこ とがわかった。KOH水溶液は金属Znとは濡れ性が悪いが、表面にHgがあるとKOH水溶液が良く濡れ、電極反応をスム-スに進行させ、Hgが部分的に Zn上にない所ではKOH水溶液が濡れにくくまた、Hgの水素過電圧増大効果もないので局部的にZnの腐食が進行することがわかった。



分子間力の弱い液体では表面張力は小さいことが予想されます。水の分子の間に働く力は普通のファンデルワールス力の他に水素結合があります。これが強いで す。でもイオンではありませんのでクーロン力よりも弱いで。電解質を溶かすとイオンが生じます。水とイオンの間の引力が水と水との間の引力よりも強くなれ ば全体としての水の分子間力が強くなったことと同じだと考えられますね。表面張力は大きくなると予想されるのではないでしょうか。ブドウ糖C6H12O6 は1つの分子の中にOHを5つ持っています。たくさんの水をつなぐ役割をしているとするとやはり表面張力が大きくなると考えられます。糖類はどれもOHの 数が多いですから似た働きがあるのでしょう。


表面張力を低下させる物質を一般に界面活性剤と呼ぶ
。)
水が固体表面で水滴
になるのは表面張力のためであるが、表面張力が低下すると薄く広がって固体表面をぬら
し、繊維の間や汚れの物質の間などに浸透することができる




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